こんにちは、Atsuです。
今回は「英語ができることと和訳ができることは、必ずしもイコールではない」という話をしたいと思います。
「この英文を和訳してください」といった相談が、Twitterなどを通して結構多く寄せられます。そういった質問を受けるたびに、「英語ができる」=「和訳ができる」と思っている人が、意外と多いなと感じてきました。
実際のところ、
ただ、大学受験では和訳問題が大きなウエイトを占める出題形式として、いまだに根強く残っています。そう考えると、こうした考え方をする人がいても不思議ではありません。
そこで百聞は一見にしかずということで、今回は私が実際に和訳を解くところもお見せしたいと思います。
英語の解説をするのではなく、あくまで今の自分のレベルでどれくらい問題を解けるのかというコンセプトです。コーヒーブレイク的な記事として、気軽に楽しんでください。
「英語が話せる」≠「和訳ができる」その理由は英語は英語で考えているから
冒頭でも言いましたが、英語ができることと和訳ができることは別のスキルです。
その理由は、私が常々言っているように「英語を話すときは英語で考えている」という姿勢にあります。
英語を理解するとき、いちいち日本語に訳していません。故に、「英語を聞いて意味はわかるから理解はできるんだけど、日本語訳がわからない」という状態もしばしば起こります。
単語レベルで「日本語訳が出てこない」
英語を見たときに意味はわかるんだけど、完全にイコール関係の日本語訳が出てこないことが(少なくとも私の場合)結構あります。
例えば、metamorphosis という単語。意味は「生物の変態」ですが、この単語を見た瞬間に、その言葉が指している内容自体は理解できます。ただ、「日本語訳は?」と聞かれると、「生物の変態」という言葉がすぐに出てくるかというと怪しいです。
とはいえ、「幼虫 → さなぎ → 成虫」と、生物が成長の過程で姿を変えていくイメージは、しっかり頭に焼き付いています。実際、私が使っていた単語帳に、そのイメージを絵で描いていたことまで覚えています。
しかし、いざ日本語で説明しようとすると、「なんか、幼虫から成虫に変わっていく過程のやつ」程度の説明しかできません。今回は記事のために調べたので「生物の変態」という訳が浮かんでいますが、これでは和訳のテストで点はもらえませんよね。
これが、「英語を見たら意味はわかるけど、日本語訳がわからない」という状態です。
文の構造が「日本語」と「英語」でまったく違う
記事の後半に続く英文と、その解答の和訳文を見比べるとわかると思いますが、英語と日本語では、かなり単語の語順が入れ替わっています。
というのも、文の構造レベルで、日本語と英語では作りがまったく違うからです。綺麗で論理的な日本語訳を作るためには、一度英文を正確に解釈し、それを日本語の語順に組み直してアウトプットする必要があります。
ここまで読んでいただければ、なんとなく和訳と英語の能力は別物だという感覚が掴めてきたのではないでしょうか。
このあたりの感覚は、「英語は英語で考える」という記事でも詳しく解説しています。

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【力試し】京大英語の和訳を解いてみた!
ここからは、実際に京都大学の英語和訳問題を使って、私がどのように解いたかをお見せします。
問題文(原文)
Up to 70% of global arid and semiarid lands are frequently claimed to be suffering from varying degrees of desertification.
Yet the word "desertification" has no agreed definition, measures of desertification are not standardized, and it is very difficult to differentiate degradation caused by humans from the effects of drought in the dry lands. Which makes (a) such estimates of desertification questionable at best.
設問(1)
下線部(a)の指す内容を、具体的に日本語で述べなさい。
such が指していそうな箇所を探すと、最も自然なのは冒頭の文です。
Up to 70% of global arid and semiarid lands are frequently claimed to be suffering from varying degrees of desertification.
私の解答
70%にも及ぶ世界の乾燥地帯および半乾燥地帯が、さまざまな程度の砂漠化によって被害を受けていると頻繁に主張されていること。
問題文(続き)
(b) As such, the way that the "crisis of desertification" was conceptualized, framed, and tackled as a policy problem shaped in numerous ways our reactions to subsequent environmental crises such as deforestation, biodiversity loss, and climate change.
設問(2)
下線部(b)を、as such が指す内容が具体的にわかるように和訳しなさい。
私の解答
砂漠化という概念が、何百万ドル規模の世界的な反砂漠化キャンペーンを引き起こし、その結果として何百万もの人々の生活に影響を与えたこと、また砂漠化が世界規模で認識された最初の環境問題であったことに見られるように、砂漠化危機が政策課題としてどのように概念化され、枠づけられ、対処されてきたかというその在り方が、その後の森林伐採、生物多様性の喪失、気候変動といった環境危機に対する私たちの反応を、多くの側面で形づくってきた。
正直、文章の長さだけでも相当ハードですよね。
内容以前に、日本語として自然にまとめ上げる力がかなり要求されていると感じました。このあたりで、だいぶ手に負えなくなってきます。笑
(※ as such の説明部分は記事内に載せていないため、私の訳が余計に長く見えています)
問題文
(c)The assumption that the world's dry lands are worthless and deforested landscapes has led, since the colonial period, to programs and policies that have often systematically damaged dry land environments and marginalized large numbers of indigenous people, many of whom had been using the land sustainably.
設問(3)
下線部(c)を和訳しなさい。
私の解答
世界の乾燥地が無価値で森林伐採の結果であるという過程が、植民地時代から続く的に乾燥地の環境を傷つけ、土地を持続可能な形で使用してきた人を含む先住民族たちを縁に追いやるようなプログラムや政策を導いた。
正直、自信は一切ありません。笑
早速答え合わせ!Atsuの感想
では、解答と照らし合わせてみましょう。一つ目の解答見てみます。
解答:地球上の乾燥地および反乾燥地の最大70パーセントが、程度の差こそあれ、砂漠化しているということ。
Atsuの解答:70%に及ぶ世界における乾燥及び非乾燥地帯は様々な程度の砂漠化によって苦しめられている、と頻繁に主張されていること
“from varying degrees of”は「程度の差」って訳すのですね。これは私の解答もまあまあ合っていると言いて良さそうです。
解答:砂漠化は地球規模で発生しているものとして認識された最初の大きな環境問題だったので、「砂漠化の危機」が政策課題としてどのように概念化され、まとめられ、取り組まれたかが、森林破壊や生物多様性の喪失、気候変動などのその後に続く環境の危機への私たちの対応の仕方を、様々な形で決定したのである。
Atsuの解答:砂漠化の概念が何百万ドル規模の世界的半砂漠化キャンペーンを引き起こし、それゆえ何百万もの人々の生活に影響を与えたことや、砂漠化が世界的に発生していると認識された初の環境問題であることにみられるように、砂漠化危機が政府問題として概念化され、枠づけられ、大書されたその様式がそれに続く森林伐採、生物多様性の喪失、そして気候変動といった危機に対する我々の反応を多くの側面で形づけた。
“frame”って「まとめられ」って訳すのか。
“Reactions”は「対応の仕方」なんですね。
私の解答だとちょっと言い過ぎていて、冗長な文章になってしまっている印象があります。最初の何百万規模のっていう部分はいらなかったみたい。あと、単純に日本語が解答の方がやはり上手ですね...。
解答:世界の乾燥地は森林伐採を破壊された、価値のない土地だという思い込みによって、移民時代以降、しばしば組織的に乾燥地の諸善環境を破壊し、多くの先住民族の多くはその土地を持続的に利用してきたにも関わらず、である。
Atsuの解答:世界の乾燥地が無価値で森林伐採の結果であるという仮定が、植民地時代から続く的に乾燥地の環境を傷つけ、土地を持続可能な形で使用してきた人を含む先住民族たちを縁に追いやるようなプログラムや政策を導いた。
“Assumption”を「思い込み」って訳すんですね。
“Program”は「取り組み」か。そのままプログラムじゃダメですよね。
最後の結びの文は「関わらず、である。」
模範解答の方がやっぱり日本語的なかっこよさがありますね(笑)私の発想からは絶対に出ない結びの文です。
最低限得点をもらえるポイントは抑えられたつもりなのですが、やっぱり模範解答と比べると自分の日本語能力の低さを突きつけられる気持ちがしますね〜。
まとめ
以上、「京大の和訳問題を解いてみた」でした。
長くなりましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
今回の記事で一番伝えたかったのは、冒頭でも触れた通り、「英語を読む力」と「日本語に直す力」は完全に別スキルだという点です。
今回出題された英文自体は、私は問題なく読むことができました。ただ、それでも和訳問題として満点が取れるレベルの日本語訳が書けたかと聞かれると、正直そうではないということは、ここまで読んでいただいた方なら感じていただけたと思います。
とはいえ、大学受験においては、今でも「和訳問題」は主要な出題形式の一つとしてその地位を保っています。もしこれから大学受験を控えているのであれば、英語にある程度自信があったとしても、「和訳は別スキル」と割り切って、和訳専用の対策をしておくことをおすすめします。私自身、大学受験時代は、英語学習とは別枠で和訳の練習を意識的に取り入れていました。
なお、【力試し企画】として東大英語に取り組んだ記事もあります。興味のある方は、あわせて読んでみてください。
